遠慮・謙遜・自己卑下の違い

Mental Health

自己卑下は誰のためにもならない

はじめに

「日本人は遠慮のかたまり」という言葉を

聞いたことがあるでしょうか?

 

遠慮や謙遜は偉ぶらず他者を立てる奥ゆかしい心の表れで、

誇るべき文化である一方、

そのような文化のない国からは

「Noが言えない日本人」というイメージを

持たれることもありますよね。

 

また、遠慮や謙遜と自己卑下を

混同しているようなケースが少なからず

見受けられると感じていました。

 

自分をおとしめるような思考や発言は

自己肯定感を下げるだけでなく、

他者や場の雰囲気にも影響を及ぼすようです。

 

そこで今回は、「遠慮・謙遜・自己卑下」について

まとめていこうと思います。

 

 

遠慮とは?

他者に対して自分の意見や欲求を抑えること。

他者のために自己を制約すること。

 

遠慮する人は、他人の感情や利益を尊重し、

他人に迷惑や不快感を与えないように

配慮する傾向があります。

 

 

遠慮する理由

・礼儀や文化

国や地域によって直接的な表現や自己主張が好まれず、

控えめさが重んじられます。

 

・対人関係の維持

他者に対して思いやりや配慮を示すことで、

信頼関係を築いたり、対立を避けることができます。

 

・自己不信

自己評価が低く、他者の意見や評価を過度に重視して

遠慮する場合もあります。

自己不信や自己否定感が強いため、

自己表現や自己主張が苦手になり、

他者の意見や欲求を優先してしまいます。

 

 

謙遜とは?

自分自身や自分の能力・成果について控えめで

謙虚な態度を示すことを指します。

謙遜する人は、

自分自身を過度にアピールしたり自慢したりせず、

他人に対して謙虚さを持って接する傾向があります。

 

 

謙遜の要素

・自己評価の控えめさ

謙遜する人は、自分自身の評価や能力を過剰に高めず、

むしろ控えめに評価する傾向があります。

自己陶酔や自慢を避け、

他人の評価を重視することがあります。

 

・自分の成果や才能を謙遜する態度

謙遜する人は、自分の成果や才能を適切に認めつつも、

他人の貢献や努力を称えることがあります。

自分の成功を適切に評価し、

他人との協力やチームワークを重視します。

 

・謙虚な態度や言葉遣い

謙遜する人は、謙虚な態度や言葉遣いを通じて、

他人に対して敬意を示します。

過度な自己主張や自己中心的な態度を避け、

他人の意見や貢献を重んじる姿勢を持ちます。

 

 

自己卑下とは?

「自己卑下」とは、自分自身を過度に低く評価し、

自己価値や自信を失うことを指します。

自己卑下的な人は、常に自分自身を否定し、

他人よりも劣っていると感じる傾向があります。

 

 

自己卑下の特徴

・自己評価の低さ

自己卑下的な人は、自分自身を否定的に評価し、

自分に対して自信や自己価値を見出せない傾向があります。

自分の長所や成功を過小評価し、

自分の短所や失敗を強調する傾向があります。

 

・自己否定的な考え方

自己卑下的な人は、

自分に対して否定的な考えや信念を持ちがちです。

自分には価値がない、

他人よりも劣っているといった思い込みが強く、

自分をおとしめる言葉や

自嘲的な発言をすることがあります。

自嘲的(じちょうてき)…自分で自分をあざ笑う様子。

 

・過度な他者比較

自己卑下的な人は、他人と自分自身を常に比較し、

他人と比べて劣っていると感じる傾向があります。

他人の成功や魅力に焦点を当て、

自分の長所や成果を見落とすことがあります。

自己卑下は自己評価や心理的な健康に

悪影響を及ぼす可能性があります

 

適切な自己評価や自己肯定感を持つことは、

自己成長や幸福感を高めるために重要です

 

 

自己卑下が他者にあたえる影響は?

・コミュニケーションの困難化

自己卑下的な人は、自分の意見や感情を

適切に表現することが難しい場合があります。

自分自身を過小評価し、

他人の意見や要求を優先するため、

自己主張が弱くなります。

これにより、意思疎通や対話が円滑に行われず、

コミュニケーションの困難さが生じることがあります。

 

・他人の信頼や尊敬の減退

自己卑下的な態度を持つ人は、自己価値を低く見積もり、

自信を欠いているため、

他人からの信頼や尊敬を失う可能性があります。

自己卑下的な言動は、

他人からの評価や承認を減少させることがあり、

人間関係に悪影響を及ぼすことがあります。

 

・影響力やリーダーシップの低下

自己卑下的な人は、自己主張やリーダーシップを

発揮することが難しい傾向があります。

自分自身を過小評価し、

他人に対して頼りがいや自信を与えることができないため、

グループや組織の中での影響力や指導力が

制限されることがあります。

 

・マイナスの雰囲気の広がり

自己卑下的な態度を持つ人が周囲にいると、

マイナスな雰囲気が広がる可能性があります

自己否定的な言動や考え方は、他人にも影響を与え、

自己卑下的な気持ちを持つ人が多い状況では、

積極的な意見や自己表現が抑制され、

全体のパフォーマンスやチームの活性化が

妨げられることがあります。

 

 

遠慮と謙遜って必要?

遠慮は、他人の感情や利益を尊重し、

配慮することで社会的な調和を促進する役割を果たします。

他人の意見やニーズを尊重し、

共同生活や協力関係を円滑に進めるためには、

適切な遠慮が求められる場合があります。

 

謙遜は、自分自身を過度にアピールせず、

他人に対して謙虚な態度を示すことです。

謙遜の態度は、他人との関係構築や

信頼の構築に役立ちます。

他人の貢献や成功を認め、

協力やチームワークを促進することができます。

 

ただし、遠慮や謙遜が常に必要であるかというと、

そうとは限りません。

状況や文化によっては、自己主張や自己表現を

重視することも重要な場合があります。

 

また、過度な遠慮や謙遜は、

自己抑制や自己犠牲につながることもあります。

 

バランスを取りながら、

適切な遠慮や謙遜の度合いを見極めることが重要です。

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さいごに

適度な遠慮と謙遜は他者との関係をよくする上で

必要だと言えます。

しかしそれが自己卑下の方向まで変化してしまうと

逆効果でマイナスな影響しかないようです。

 

褒め言葉をもらっても謙遜してしまうことは

よくありがちですが、せっかくいただいたお言葉を

ありがたく受け取らないことは、

むしろ失礼で、相手をがっかりさせる行為かも知れません。

 

遠慮や謙遜のつもりが自己卑下的な発言になり、

周囲を困惑させることにならないよう、

気をつけたいですね。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

何か少しでも気付きやヒントになれば幸いです。